要旨

福島原発事故避難・帰還・居住者の生活と環境変化

アクションリサーチ

当調査は、東電福島原発事故により、2011年4月に決定された避難区域に認定されなかった区域から避難・移住した方々、諸般の理由で一旦避難した後、帰還なさった方々、避難を検討したものの、様々な理由で、避難せず住み続けている方々の経験や生活を聞き、記録にとどめることを目的にしている。メディア報道などが減少し、被災者の現実の風化が進む中、事故はまだ終わっていないこと、事故が原因で人生が激変した方々の生活は依然として苦しく、将来の見通しは何らついていないことを、世界の人々に知ってもらうこと、また、当調査の結果を、数あるデータの一部として残し、将来の被災者の権利保障の運動に役立てることがこの研究調査の最大の目的である。

原発事故は世界の至るところで起こりうるものであり、福島原発事故に対処するためチェルノブイリ事故の経験や調査研究、市民運動が役立っているのと同様、福島の経験を今後起こりうる事態に活かすことは可能である。更に、福島原発事故の被災者の移住の権利は、環境避難民の権利として捉えることができる。現在まだ明瞭な定義がなされていない「環境避難民」の課題について、福島原発事故被災者の方々の経験が参考にされ、ひいては国際的人権の立場からの被災者の方々の人権擁護、権利保障の一環となればと望むことを止まない。

※この研究計画はフランス国立科学研究センターの助成で実施されている。